コーイチ、ヒモやめるってよ

後輩のコーイチは、30近くでヒモニート。
変わりたいけど変われない日常に苦しんでる。
このままじゃいけない。なんとか変えよう。変えてやろう。
"ボク"らの限りなく絶望に近いヒモニート脱出プロジェクトが動き出す。
*限りなく現実に近い、フィクションです。

2015年9月5日


後輩から連絡がきた。


相談したいことがあるから、来て欲しい。
そして来るときには印鑑を持ってきて欲しいとのこと。


ついに怪しいビジネスに手を出したか?と怪しみながらも待ち合わせのバーへ。



こっちです、と手を振る後輩の横には彼女さんとボクの同級生であるマサシの姿が。


「どうやら良い報告だね?」と尋ねると、「結婚するんです」とうれしい報告が。


5年以上も付き合っていた後輩と彼女さん。
周りからは"世紀のお手本カップル"と高評価を得つつもなかなか先に進まなかった2人がついに結婚。


こんなにうれしいことはない。ボクもマサシも大いに喜び、飲んだ。


しかし、ふと頭をよぎるものが。


(あっちの後輩は、今どうなってるんだろうか)



ボクとマサシには、共に思い出を作ってきた後輩が2人いる。


1人は、結婚の報告をしてくれた後輩。
そしてもう1人は、絶賛ヒモニート中の後輩・・・"コーイチ"。


コーイチは、5年前から付き合っている彼女・・・"サユリ"の恩恵を受けながら日々を過ごしている。
付き合っていた当初は働いていたが、いつの間にかニートに。そして現在はヒモ生活を満喫中。


サユリの話では、働いてはいるが給料がもらえないとのこと。なにをいってるんだ?



バーでの話が終わった後、解散の流れに。


後輩と彼女さんは顔なじみがいる別のバーへ行くとのこと。


ボクはマサシに相談があるということで、学生時代よく訪れていた河川敷へ向かった。


9月初旬とはいえ河川敷は寒く、正直場所の選定を間違えたと言わざるを得なかった。



しかし言い出したのは自分だ。多少の寒さは我慢せねば。




マサシに相談したかった事は1つ。コーイチの事だ。



愛すべき後輩の1人が結婚宣言をした今日、もう1人の後輩の事も考えてみよう。



ヒモニートを満喫しているのは、普通に考えてダメだろう。



なんとかボクたちの手で真人間に戻してやれないだろうか?



マサシも「やるなら徹底的にやらないとな」とコーイチの為に動く決意をしてくれた。




この決意が鈍る前に、進もう。コーイチを真人間にしてやるんだ。



こうして、ヒモニート脱出プロジェクトが動き出した。

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